画像の一部または全体の色が変わったり横スジが入ることがあります。(フリッカー現象)
フリッカーとは
蛍光灯、LED、ナトリウム灯、水銀灯などの照明下で撮影すると、以下のような現象が発生することがあります。
- ライブビュ―画面や動画撮影時に画面がちらつく
- 撮影した静止画に横スジが写り込む、色合いが変化する
これはフリッカーという現象で、故障ではありません。
フリッカーのイメージ
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色合いの変化
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横筋の写り込み
フリッカーが発生する理由
照明の特徴
現在では蛍光灯はインバータタイプのものが主流ですが、昔ながらの蛍光灯では1秒間に100回または120回の明滅を繰り返していました。
これに対して、最近増えてきたLED照明やLED広告ディスプレイなどは、1秒間に数百回から数千回という蛍光灯よりも速い周期で明滅しています。
これら照明の明滅による明るさの変化が写真に写ってしまう現象をフリッカーと呼んでいます。
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蛍光灯の場合
- 明滅の周期:100または120Hz
- 特徴:明滅の過程で白から黒の連続的な明るさの変化とともに色の変化を伴うことが多い。
蛍光灯の明滅の周期イメージを示している動画
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LED照明の場合
- 明滅の周期:数百-数千Hz程度
- 特徴:点灯、消灯を速い周期で繰り返す。
LED照明の明滅の周期イメージを示している動画
カメラのシャッターの構造
光の明滅がなぜ写真上では縞模様に写るのかを理解するには、シャッターの構造を理解する必要があります。
一眼タイプのカメラでは、イメージセンサーの前に設置されたフォーカルプレーンシャッターを使用しています。
フォーカルプレーンシャッターは、先幕と後幕という2枚のシャッター幕を持ち、先幕と後幕の走行開始タイミングの差を調整することで露出時間(シャッタースピード)をコントロールします。
例えば、シャッタースピード 1/1000秒に設定した場合、先幕の走行を後幕が追いかけスリット状の開口部を形成してイメージセンサーに露光を与えます。
また、画面の一点を先幕が通過した後に後幕が通過するのにかかる時間は1/1000秒です。
一方、先幕が走行を開始してから後幕が走行を終了するまでには、約4msから数十msかかります。この時間はシャッターの方式により異なります。
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シャッター走行前
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シャッター走行時
[A]:先幕
[B]:後幕
[C]:露出時間(シャッタースピード)
シャッター走行と露出時間のイメージを示している動画
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画面の上下で露光するタイミングが異なるため、撮影画像の上と下で明るさや色が変化する画像
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明滅周期の速いLED照明や、スリットの走行時間の長いシャッターを使用した場合は、輝度変化による縞模様が画面に現れた画像
フリッカー現象を低減して撮影する方法については以下のページをご覧ください。